この記事はこれから就職先を探す学生や、30手前くらいの若手社会人に読んでいただきたい。
私は社会人歴20年のベテランに差し掛かってきたおじさんだ。簡単にキャリアをまとめると、半導体、自動車のそれぞれの業界で、研究開発から製品開発、生産ライン立ち上げまでひと通り経験してきた。その経験をベースに、現在は外資系コンサルにて製造業のDXの支援をしている(略歴はこちらを確認していただきたい)
そんな私が若人たちに伝えたいことがある。
いま、製造業が熱い。
資源に乏しい我が国日本はものづくりで今の地位を築いてきた。しかし、空白の20年と言われる1990年後半から2010年にかけて製造業は失速し、魅力的に見えない時期が続いた。
いまもそのように見えているかもしれない。
ただ、現実はもっと魅力的であることをお伝えしたい。
切り口として、就職先を検討するにあたり必ず気がかりとなる、安定性、収入、仕事の魅力の3点で魅力を語っていく。
安定している
19年後半から流行が始まったコロナによって、一気に世界の有様は変わってしまった。この記事を執筆している段階(’21年末)では第6波の兆しが見えつつある。そんな不安定な状況下で、飲食店や観光業は大打撃を受け続けている。一方、スーパーやドラッグストア、運送業などはエッセンシャルワーカーと呼ばれ、コロナ禍においても生活を支える必要不可欠な仕事と位置づけられた。
製造業も同じく20年上半期には、他業種と同様にパンデミックの影響を受けたが、下半期からは業績を戻すところもあり、比較的安定していたと言える。
収入も悪くない
企業にもよるが、私が経験した自動車業界では、40手前の係長クラスで年収1000万円前後の同僚が多かった。
就職四季報を見ると、そこまでいかないように見えるが、実はカラクリがある。製造業には製品開発などに携わる技術系の社員と生産ラインで製品の製造に携わる技能系の社員がいる。どちらも重要な仕事だが、一般に技術系が技能系と比較して給料が高い。就職四季報ではこの両者を合わせて平均年収を記載している場合があり、結果的に技術系の給料は就職四季報の記載よりも高くなる。
製造業で高待遇を望むのであれば、技術系のポジションを志望するのが良いだろう。
未来感のあるワクワクする仕事が待っている
2016年頃より、ドイツでインダストリー4.0、第4次産業革命が提唱された。蒸気、電気、コンピュータと続いた産業革命のドライバーだが、次の第4次産業革命では情報が主役となる。コンピュータの性能・AI技術の進化などにより、ありとあらゆる情報を活用して、従来のムダだらけの仕事を効率化したり、これまでになかった製品・サービスを提供したりできるようになる。つまり、空想を具現化するワクワクする仕事が待っているという訳だ。
以上、製造業の魅力3点をご説明した。これから就職先を選ぶ学生が希望を持って製造業を選んでくれると嬉しく思う。また、現役で製造業で働く社会人の方々も希望を持って職務にあたられることを願う。
